かれこれ30年ほど前からの友達が今日優良警備員で表彰された。
彼から「恥ずかしながら今日大前さんの近所にある中央区の施設ブロッサムで表彰されるのだけど、
もし時間があったら見に来てください」と電話があった。
「午後から用事があるのだけど行きますよ」と、どんなものなのかも想像も付かぬ行事でした。
ましてや、警備員で表彰ってと思いながら行って見ました。
会場のブロッサムもほぼ満員の人、一般財団法人東京都警備員協会主催。
今日表彰された彼は大昔からの友達、このことを書いても叱られないだろう。
私、妹、母、娘も良く知っている友達、JH君(妹と同じ年齢)はかつて大手広告代理店に勤務していた。
気が優しくて、怖がりで、広告代理店なんて仕事大丈夫?というほど気が弱かった。
顔もハンサム、体は細い、いつも我が家のアイドル的男の人でした。
大手広告代理店を50歳でリストラされた。
それからが彼のいばらの道、奥さんと離婚しその後再婚した女性はすぐに体が弱く働けず、
先妻の娘が不良で呼び出し多数、再婚した女性の子供も問題児、買ったばかりの1軒やも手放すはめに。
まるで不幸の連鎖、そんな折彼は警備員という仕事を見つけてきた。決して卑下しているわけじゃないが、
事実だけを報告されていた。
私は彼の弱さを知っているので「あなたぁ、警備員って夜中に怖い人がきてもえいや~~とやるのよ」
と脅かしていました。
ところが、彼は警備員になって顔も体も締まってきて、精悍になってくるじゃないですか?
ある大学病院の警備員を10年、今じゃ30人の部下を統率して生き生きと働いています。
代理店の時のか弱さは何処へ?
その彼が今日表彰されたのです。私は無性に嬉しかった。
あんなに不幸のデパートのような人だったのに、今じゃどんな不幸も乗り越えて警備員まっしぐら。
生き生きと80歳までこの仕事をしたいので、と夜中中働いても一駅前から歩く。
こんなにステキに転職した人って私は見たことがありません。
人生、何が幸せか、決して大手広告代理店だけが人生ではありません。
表彰式の後、私は爽やかな気持ちで築地の「青空三代目」でお寿司をご馳走し祝いました。