週末母をお風呂に入れている時、「ねぇ、もういいのよ、適当に死にたい」って。
「そういっても私たちはおかぁちゃまが生きている内は面倒を見る義務があるから、
そんなこと言われても困るわ」と言う会話が毎度繰り返される。
大きな病を持っていない人は老衰というので亡くなる、がそこまで行くのが大変だ。
社会学者として名前が売れていた「鶴見和子」という人は祖父は後藤新平、津田塾を出て
アメリカのプリンストン大学で社会学者となり、博士号を取った才媛だが、彼女が77歳の時
脳溢血で倒れ、半身不随になってから歌人として花開いた人生。
病を得てから新たな人生を歩んだが、死が近づいて来た時
「死ぬって面白い体験ね、こんなの初めてだわ。人生って面白いことが一杯あるのね。
こんなに長く生きていてもまだ知らないことがあるなんて面白い!驚いた」
と兄弟で語り合ったという記述があります。
そんなことを読んだ私は心で(口には出しませんが)母はまだ知らないあの世に行くということに
案外面白がっているのかも。
大型客船で世界中の船旅を体験し、行かないところはない、行かないところはあの世だけ、と
豪語していた母ですが、毎週この「早くあの世に行きたい」というフレーズを聞くのは大変です。
それでも美味しい物はしっかり食べるし、鰻も特別の所で買って来たものは
「今日の鰻おいしわね」と言うのです。
今はデラウエアの葡萄が大好きで、ご飯を食べなくてもお食後は待っています。
先日ネットで取った鰻は美味しくなかったので一口で食べるのを止めてしまいましたが、
私が上野にいってわざわざ買って持って行った鰻はかなり食べました。
昔母は鰻は嫌いだったのに、歳を取ってから好きに変更されて、案外意地悪バーサン気があります。
お寿司もその辺でのお寿司は寿司飯が美味しくないと。まぁ、うるさいのだわ。
研一の母上ゆえ、仕方ないか。
新聞はしっかり読むし、私が持って行く週刊新潮も読んでいる。
勿論研一の「大前通信」BBTの番組は毎週欠かさずだし・・・
口癖の「もういいのよ、早くあの世に行きたい」だけはよしてもらいたい。
昨日白楽のスーパーマーケットで捜真の同級生にばったり会いました。
彼女曰く「主人と10歳違いなので、もう80を過ぎているのよ、今じゃぼけてねぇ」と
愚痴をいっていましたが、今では母の代じゃなく自分の番なのを実感しました。
あぁぁ~~~生きているという事の大変さ、命は神が司っていると私は信じていますが・・・