ドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマン監督の作品。
「パリ・オペラ座のすべて」や「ニューヨーク公共図書館」など一つの組織や施設を題材にしてきた
ワイズマンが作った新作、彼の生まれ故郷でもあるマサチューセッツ州ボストンの市庁舎が舞台。
何と5時間もの大作で、その上このご時世に満員、5時間誰も席を立たないストーリーがあるわけじゃないのに
引き付けられた。ある場面では涙が止まらなかった。警察、消防、高齢者支援、出生、結婚等など。
数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の舞台裏からカメラワークが素晴らしい。
多様な人種、文化の中でボストンを率いるのは、アイルランド系のマーティン・ウオルシュ市長。
彼は今バイデン大統領の閣僚の一人になっているらしい。画面に度々登場しますが、
穏やかそうですが、改革は市民の声に耳を傾けて、日本にもこういう人いて欲しいと。
「市民のための市役所」を目指し、根気強く対話をする姿に感動!
5時間の映画、それもストーリーはない、ただひたすらボストンの市庁舎とボストンの景色、
ごみ収集の姿や(ここ大笑い)道の清掃など、勿論日本の市役所がひどいと思っているわけじゃないですが、
これだけ市民に寄り添ったアイルランド系の市長さんに拍手を送りたいわ。
何度か行っているボストンに懐かしさを覚えました。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学だけじゃない
ボストンの街、5時間耐えられる体力がある方にはお勧めの映画です。