岩手県の南部高校は盛岡市にある名門中の名門で、昔の旧制南部中学だそうだ。
この小説の主人公東大法学部卒の一人の男性を描き終活をつづった内館牧子さんの小説、
この頃テレビがつまらないからテレビを止めて早々とベットに入り読み始めた。
東大を出た後、国内トップのメガバンクに就職し、両親の自慢の息子だったのだ・・・
彼が40代で子会社に移動させられ、定年の日を迎えるところからこの小説は始まる。
私は見ていないがテレビドラマにもなったらしい。舘ひろしと黒木瞳。
余りに面白くって、530ページほどの文庫本ですが、夜が明けるまでに読み切ってしまいました。
そうだよな~~とかどんなに学生時代優秀だったとしても人間の一生が東大法学部それで決まるわけがない。
90歳まで生きたとしても歴史からみたらほんの一瞬、点にしかないのだから。
何のためにガリ勉し、あがき、上をめざしたのだろうか。
最後は「横一列」とわかっているのだから。60代というのは、男女ともまだまだいける年代だし、
枯れてもおらず、自信もあり。
社会に「お引き取り下さい」といわれるには何だかなぁ。
何度も書いているが私は大昔のいわゆるオフィス・ガールでした。
丸紅飯田という名称のころの女子社員、そのころ会社にはいい男がごろごろいました。
その中でもこの小説の中に出てくるような1人の東大法学部出身の男性、ひときわ輝いていました。
入社早々目立っていたし、素敵だったから気になっていました。
会社も彼の将来を買ったのでしょう。会社の費用でロンドンに留学させてしまい、その後お会いしなかったのですが、
何と、60年後渋谷でお見掛けしたのです。あ!あの人だ!と息を飲んだのですが、
町中にある公衆電話のようなボックス型の現金自動支払機に入っていきました。
それは別にいいのですよ~~~ただ、足元はビニールのつっかけ。
これがびしっとした姿だったらもしかしたら「あのぉ~~間違ったらごめんなさい、丸紅の○○さんですよね」
と言ったかもしれない。
同窓会じゃないですが、懐かしさに。あのビニールのサンダルを見たとたん「げめかん」㊟幻滅を感じる
今回の本は私たちにとって自分の後ろ姿を見させてくれました。
男性が一番気にしなくてはいけない姿、会社人間が終わった途端にスエットORパジャマ風の形になってしまうのは
お願いだからやめて欲しいわ。ビニールのサンダルじゃなかったら声をかけてもしかしたら、
今頃昔話に華がさいていたかもよぉ~~
この話昔の会社のOLにしたら、「渋谷でその格好で歩いていたのならお家は松濤あたりかもよ」と。