原題「 The Butler 」を観てきました。
7人の大統領に仕えた黒人執事の物語です。
先日来どんな雑誌の映画評を見ても「とにかくいい」と書いてあったので、何とか時間を作って観に行こう、と算段していたが、今朝思い切って出かけました。
とにかく良かった!!
黒人差別が日常で行われていた時代のアメリカ南部から話がはじまります。両親と綿花畑で小作人として働いていた男の子の物語です。
努力の末、見習いから高級ホテルのボーイになった青年は、その仕事ぶりが認められ、遂にホワイト・ハウスの執事となる。
キューバ危機、ケネディー暗殺、ベトナム戦争・・・・アメリカが大きく揺れ動いていた時代。
小作人だった男の子が激動の時代からホワイト・ハウスに奉職して、やがて退職するまでを、感動をもって描いている。
アイゼンハワー、ケネディー、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガンまで。
その後ブッシュ、親子、クリントン、オバマと続きますが、彼は90歳で亡くなった。
ベトナム戦争があり、キング牧師暗殺され、ニクソン政権の頃私は駐在員の妻としてNYに住んでいたので、とても身近に感じた。
その後1973年ベトナムから撤退、第一次石油危機、フォード政権が誕生した。
1986年反アパルトヘイト法案成立。ブッシュ政権誕生、1989年ベルリンの壁崩壊・冷戦終結。
1993年クリントン政権誕生、2001年G.W.ブッシュ政権誕生、2009年オバマ政権誕生・・・
それでも日本の総理大臣はこうして列挙するのに「あぁ、そんな人いたわねぇ」てな感じですが、
アメリカも共和党と民主党が良い具合に入り乱れていて、やはり政権交代をしないと成長しませんね。
主役のフォレスト・ウィテカーはたくさんの映画に主演している演技派で、アカデミー主演男優賞も取っている渋い俳優で、この役でまた注目されるでしょう。
彼の奥さん役オプラ・ウインフリー、見ている時何処かで観た人だなぁと考えていましたが、アメリカを代表するTV番組でTV史に残る名番組「オプラ・ウインフリー・ショーで大人気だった人でした。彼女の番組に呼ばれるとすっかり名士になる、日本でいうとちょっとジャンルが違うが「徹子の部屋」の黒柳さんみたいかなぁ。
ジェーン・フォンダやマライア・キャリーなど多彩な人がさりげなく出ていて、重厚な映画でした。
私ごとですが、1968年に初めてNYで赴任し、アメリカの激動を肌で感じましたが、あのころは映画にも出てきますが、アメリカの恥部ベトナム戦争真っ盛りでした。人々が暗く、麻薬や銃が蔓延していましたが、1ドル360円でした。帰国する頃は1ドル200円になっていました。
商社員やメーカーの人たちが必死で日本製品を売っていました。日本製品「安かろう、悪かろう」と言われていた頃です。
今の中国製品に対する日本人の見方みたいなものが当時ある中で、必死に頑張った日本の企業戦士でした。
今日の映画を観て、黒人とニガーと蔑んだ言い方が何度も出てきましたが、日本人だってジャップと呼ばれたこともあります。
オバマさんが大統領になった時、アメリカの懐の広さと何とも言えない時代の感慨があったのは事実です。
ぜひ、このお休みにこの映画をご覧になることをお勧めします。
私は大泣きしてしまいました。